主はサムエルに言われた。「わたしは…人間が見るようには見ない。人は目に映ることを見るが、主は心によって見る。」 (サムエル上16章7節)
初めに、神は天と地を創造されました。天は目に見えないものとその世界で、地は目に見えるものとその世界のことです。見えるものと見えないものの両方を、神は造られたのです。そして、見えないもの、心や愛や霊などは、目に見える物質よりも大切なのです。見えないものから見えるものが生み出されるからです。
『星の王子さま』(サン・テグジュペリ著)の中に、「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。肝心なことは、目に見えないんだよ」という言葉があります。でも、心で見るって。どういうこと?
冒頭の聖句に、「主は心によって見る」とあります。それは人には隠された苦しみや悩みを、神だけは知っていてくださるということです。黒人霊歌「誰も知らない私の悩み」は、♪誰も知らない私の悩み苦しみ 神様だけは知っておられる 誰も知らない、私の悩み…♫と歌われます。辛いのは、悩みがあるからではなく、それを誰も分かってもらえないことです。しかし、私の隠された思いを、神であるイエス様だけは知っていてくださる、なんて有り難いことでしょう。
人を見る時、どうしても目に付く外面的なもの、容貌や学歴などに惑わされやすいものですが、本当に大事な人柄や品性という、その人の内面は見えません。だから、心によって見ることが必要です。それには、祈って神に聴くことです。そうしてサムエルは、除外されていた末子のダビデを選ぶことが出来たのです。何かを選んだり決めたりする時、目を閉じて隠れたところにいる神に祈ることにしています。(2022年2月3日)