あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。みだりにその名を唱える者を主は罰せずにはおかれない。           (出エジプト20章7節・第3の戒め)

神である主のお名前を、ユダヤ人はYHWH聖なる4文字としました。そして、それは人間の声で発音してはならない(読んではいけない)としました。第3の戒めにある罰則を恐れたからです。みだりに主の名を唱えると罰が当たると考えたのです。そこで、聖書朗読がなされる時、聖なる4文字が出てきたら、人間の声で発音することができませんから、この文字は読みません。お名前はそこに書かれていますが読みません。読まない代わりに「主」ヘブライ語で「アドナイ」と呼びました。正確に言うと、「わが主」と申し上げたのです。後の時代になって、聖書がギリシャ語に訳された時も、神のお名前は全部「主」と訳されました。本来、お名前が出されている箇所も主と訳されましたが、新改訳の詩篇68:4「その御名はa主」の脚注には,a「ヤハ」と記されています。本来そこは、主ではなく神の名ヤハウェとあったからです。詩編83編13節も、あなたの御名は→ヤハウェ・ヤーウェと訳されたら良かったと思います。いずれにしろ、神のお名前を直接呼ぶのを畏れたのです。それで、「わが主」と申し上げたのです。それに似たこととして、自分の父や母を呼ぶとき、父母を名前で呼ぶよりも「お父さん、お母さん」と呼びます。今、私たちは神を呼ぶ時、主イエスの名で呼びます。イエス様と、イエス・キリストのお名前によって、主なる神を呼べるのです。何と幸いなことでしょうか。

エホバの証人(ものみの塔聖書冊子協会)は、上記の在り方を批判し、神の名前をきちんと銘記すべきと主張。それが銘記されている文語訳聖書だけを使い、今は、自分たちの訳した新世界訳聖書を使って、神の名エホバを平気で口にします。エホバが誤訳であるのに、正確な訳の「ヤハウェ」を使いません。そうした姿勢は第3の戒めから逸脱しています。みだりに主の名を唱えている、と思えます。

ヤハウェと言う名前は、「現在」「過去」「未来」の意味を持つ全ての言葉を、少しずつ組み合わせたものです。つまり、神は時を超えた存在だからです。まさに、イエス・キリストは、きのうも今日も、永遠に変わることのない方です。(ヘブライ13章8節)