実は、この男は疫病のような人間で、世界中のユダヤ人の間に騒動を引き起こしている者、「ナザレ人の分派」の首謀者であります。(使徒言行録24章5節)

上記の「疫病」は「ペスト」とも訳されています。ユダヤ人から訴えられているパウロのことを政府高官が、「この男は疫病のような人間だ」述べています。人間社会に騒動を引き起こす存在=疫病との観念が、既に出来上がっていたことが分かります。ネズミから発生するペストを示唆する災厄は、旧約聖書に既に記録されています。サムエル上5~6章に記されています。神の箱を奪ったペリシテ人の上に災厄が臨みました。困り果てた住民は、神の箱がその禍の原因だと分かり、それをイスラエル側に送り返そうとします。その時、賠償の献げ物として「ねずみの模型」と一緒に返還します。6章5節に、「はれ物の模型と大地を荒らすねずみの模型を造って、イスラエルの神に栄光を帰すならば・・」とあります。話が少し逸れましたが聖書は疫病は神の怒りから来ると述べています。それを鎮めるために、疫病の発生源を模型にしたのです。

同じ事が、民数記21章9節の「青銅の蛇」の模型を旗竿の先に取り付けたことに示されています。コロナでWHOのロゴマークが代表者の映像の背後に見えます。棒に巻き付いた蛇です。ギリシャ神話から医療の象徴として取られたとのことですが、私には、モーセが竿の先に上げた青銅の蛇に見えました。イエス・キリストを仰ぎ見る信仰によって、どんな人も救われます(ヨハネ3章14~16節)。そこに救いがあります。

始めに記したパウロに戻ります。新型コロナウイルスの感染力は非常に強く、一緒に食事をしたり、エレベータで一緒になっただけで感染しています。物凄い伝染力です。それが恐怖を引き起こしました。パウロがそうした疫病と呼ばれたのは、その伝染力からです。彼の話を聞くと、信仰に導かれたからです。そして、信じた者たちは新しい価値観に従いました。それが、騒動を引き起こしているかに見えました。パウロ自身も主イエスと出会って、全く新しい価値観に変えられました(フィリピ3章7~9節)。

色々な疫病が幾度も人類に襲いかかっているのは、そのことを通して神が人類に、重要なことを語りかけているからです。私には、そう思えてなりません。