旧約聖書レビ記11章に食物規定が書かれています。食べて良い物と食べてはいけない物の規定です。ユダヤ人はこの規定を代々忠実に守っています。その結果、中世に疫病ペストが蔓延した時にも、ユダヤ人地区だけは感染者が殆ど出ませんでした。理由は、聖書の食物規定が衛生的な面で有効だったからです。寄生虫やウイルス源となる動物[その1つが、こうもり(蝙蝠)です]は禁止されています。このことから、前述の食物規定には神の愛があることを、改めて知りました。キリスト者はこの規定に縛られる必要はありませんが、そこには神の配慮があることを再認識する必要があります。
それと同時に,デマ(偽情報)に惑わされない冷静さが必要です。と言いますのは、前述の疫病が蔓延したとき、食物規定を守るユダヤ人だけは伝染を免れました。すると、それに腹を立てた人たちがデマを流しました。ユダヤ人が井戸や泉に毒を投じたので、疫病が発生したとの偽情報です。根も葉もないデマなのに、ユダヤ人への迫害が起きました。恐るべきことですが、風評被害はいつの時代にも起こっています。それに近いものを、コロナに感染した人たちが受けているように見えるからです。
今、コロナ・ウイルスが猛威を振るっていて、自分も感染するのではないか、そして、苦しみ死ぬのではないかと、不安と恐れを誰もが抱いています。コロナを甘く見てはいけないのですが、かといって、恐れて不安にばかり陥るのではなく、必ずある神の守りを信じ、心に安らぎを持つ必要があります。冷静に判断するためです。
預言者イザヤは、「恐れるな、わたしはあなたと共にいる」(イザヤ43章5節)との神の言葉を伝えています。更に、「水の中を通るときも、わたしはあなたと共にいる。大河の中を通っても、あなたは押し流されない。火の中を歩いても、焼かれず、炎はあなたに燃えつかない」(2節)と、言っています。大変な状況を、大水や火に例えています。どんな状況に置かれようとも、神はあなたと共におられます。
(祈りましょう)
父なる神さま、私たちは今、新型コロナ・ウイルスによって、言い知れない不安と恐怖の中に置かれています。そんな私たちに、「恐れるな、わたしはあなたと共にいる」と語りかけてくださいます。コロナ・ウイルスに感染したことで肉体的にも精神的にも辛い状態にある人々のために祈ります。1日も早い回復を祈ります。皆が1つになって力を合わせ、乗り越えさせてください。救い主キリストの御名によって祈ります。アーメン。 (4月14日)