これらのことの後で、主人の妻はヨセフに目を注ぎながら言った。「わたしの床に入りなさい」 (創世記39章7節)
(…ヨセフに目をつけて言った。「わたしと寝なさい」口語訳)
何と直接的な言葉だろう。こんな言葉を平気で口にしたのか。それとも、ヨセフに恋焦がれた結果か。いずれにしろ、恐ろしいほどに露骨で単刀直入な表現には違いない。女主人という立場を利用して、彼女が気に入った男奴隷には同じように命令していた、と受け取られても仕方がない。このように女主人から言い寄られ誘われたら、殆どの男奴隷は言いなりになったでしよう。一緒に寝てくれたら、夫に進言して待遇を良くしてもらってあげる、等と囁かれたかも知れない。
17歳でポティファル家の奴隷となってから、7年が経過していたと考えられます。もう少年ではなく、立派な若者です。ヨセフは悩みます。自分を全面的に信頼してくれているご主人の妻からの誘惑です。
しかし、ヨセフは拒んで、主人の妻に言った。「ご存知のように、御主人はわたしを側に置き、家の中のことは一切気をお使いになりません。財産もすべてわたしの手にゆだねてくださいました。この家では、わたしの上に立つ者はいませんから、わたしの意のままにならないものもありません。ただ、あなたは別です。あなたは御主人の妻ですから。わたしは、どうしてそのように大きな悪を働いて、神に罪を犯すことができましょう。」彼女は毎日ヨセフに言い寄ったが、ヨセフは耳を貸さず、彼女の傍らに寝ることも、共にいることもしなかった。 (創世記39章8~10節)
信頼してくれるご主人を裏切る訳にはいかないことと、神に対する罪のゆえに従えない、と答えました。しかし、情に負けて、罪を犯す危険性はいつもあります。女主人の命令は主人の命令と同じくらい力がありました。しかし、ヨセフは神に心をすべて打ち明け、祈りました。それが誘惑に打ち勝つ最善の手段です。情に負けて断り切れず、神に罪を犯す危険性は、いつもあります。若い盛りの性の誘惑は、とてつもなく強い。主イエスは、「わたしたちを誘惑に遭わせず、悪い者から救ってください」と祈るよう教えています。一時の快楽と引き換えに、誘惑に負けて奈落の底に堕ちる現実が、名誉欲・性欲・金銭欲の誘惑にはあるのです。
