イスラエルの息子たちは、他の人々に混じって穀物を買いに出かけた。カナン地方にも飢饉が襲っていたからである。 (創世記42章5節)
重い腰を上げて10人の兄たちはエジプトへ向かいました。そして、そこに出会いが待っていたのです。
ところで、ヨセフはエジプトの司政者として、国民に穀物を販売する監督をしていた。ヨセフの兄たちは来て、地面にひれ伏し、ヨセフを拝した。ヨセフは一目で兄たちだと気づいたが、そしらぬ振りをして厳しい口調で、「お前たちは、どこからやって来たのか」と問いかけた。彼らは答えた。「食料を買うために、カナン地方からやって参りました。」ヨセフは兄たちだと気づいていたが、兄たちはヨセフとは気づかなかった。(創世記42章6~8節)
兄たちは外国人として、厳しいチェックを受けます。外国から、10人もまとまって来ていたので、注意が必要と考えられ、通常の係ではなくヨセフが直々に会うことになったのです。イスラエルとエジプトとの間には頻繁な往来があったが、それでも外国。警戒を払う必要があった。20年ぶりに見る兄たちの姿が、そこにあった。立場上、そしらぬ振りと厳しい口調で接するヨセフ。兄たちはヨセフだとは全く気づかない。ヨセフは、そのとき、かつて兄たちについて見た夢を思い起した(9節)。20年前の夢、それは兄たちに憎しみと怒りを与えました。しかし今、あの夢のとおりになっていて、兄たちは私の前でひれ伏している。しかし、ヨセフはすぐには名乗りを上げていません。以前に受けた屈辱などが思い出され、立場上も併せて、そしらぬ振りをして厳しい口調で語ります。「お前たちは回し者だ。この国の手薄な所を探りに来たに違いない」と。回し者とはスパイ。手薄な所、すきのある所を探り出す目的で来るのがスパイ。驚いた兄たちは答えます。「いいえ、御主人様。僕どもは食糧を買いに来ただけでございます。僕どもは皆、ある男の息子で、正直な人間でございます。僕どもは決して回し者などではありません。」しかしヨセフが「いや、お前たちはこの国の手薄な所を探りに来たにちがいない」と言うと、彼らは答えた。「僕どもは、本当に12人兄弟で、カナン地方に住むある男の息子たちでございます。末の弟は、今、父のもとに居りますが、もう一人は失いました」(42章10-13節)。もう一人とは、目の前に居るヨセフです。
