イエスに触れていただくために、人々は乳飲み子までも連れて来た。弟子たちは、これを見て叱った。(ルカ18章15節)

大人を小さくしたのが、子どもではないのです。子どもには独自の世界があるからです。それが理解できないため、弟子たちは子どもを追い払おうとしました。うるさいし手がかかるし、話なども分からないだろう、と考えたのです。しかし、イエス様はそうではありませんでした。子どもを招き寄せ、「子供のように神を信じなさい」と、教えられました。

中野区に、私立の「東京こども図書館」があります。故石井桃子、松岡享子さんらが中心的な役割を果たしています。茅ケ崎市に住んでいた時、市立図書館で「お話講座(ストーリーテリング)」を受講しました。子どもたちに、どのようにお話をするかを学び、実践する連続講座です。その時、東京こども図書館の話が必ず出ました。それで、一度行ってみたいと思っていましたが、先日、妻と一緒にバスに乗って見学してきました。時代は変わっても、人の心は変わりません。今はゲームなどに夢中で、本を読まない子どもが増えています。(それは大人も同じです)それでも、お話や紙芝居は子どもの心を捕らえ、育てます。基本は、面白い・楽しいと感じることです。そのことをもう一度、確認できました。

赤毛のアン、アルプスの少女ハイジ、ムーミン・・・と言った物語やお話、桃太郎や舌切り雀などの昔話も数限りなくあります。毎日が、わくわく楽しく思える時代、すべての事に興味と疑問を持つ時代、それが子ども時代です。「ラジオこども電話相談」という番組があります。子どもが電話で疑問を出し、専門家が答えます。小学3年生の「どうして明日があるのですか?」との質問に、回答者である永六輔さんが答えあぐねると、もう1人の回答者、天文研究家の小林悦子さんが答えました。「きのうと今日は、もうすぎちゃったことだから、やりなおしができないでしょう」「うん」「だけど『あしたは、何かやってやろう!』って思うじゃない。だから明日があるのよ」と。決して科学的な回答ではありませんが、子どもは納得しました。

大人から見れば、たわいない話に思えるかも知れませんが、子どもには、明日があります。だから、大人であっても子どものように信じ、明るい日である明日を楽しみにしたいですね。イエス様は、私たちに希望を与えてくださいます。どのように暗い時代であっても、それは変わりません。