あなたがたは…うそ(嘘)をついてはならない。互いに欺いてはならない。(レビ記19章11節)

 嘘には2種類あります。英語でwhite lie(白い嘘)という表現があり、相手を思いやってつく嘘を指します。遊女ラハブが、ヨシュアが遣わした2人の斥候を守るため、嘘を言います。嘘はいけないのですが、こうした嘘は許されます。それに対して、許されない嘘があります。それは自分の身を護るためにつく嘘です。身の危険が迫ると、主を知っているのに「知らない!」と3度も言ったペトロ。また、サウル王から逃亡していたダビデが、祭司アヒメレクに嘘を言って、パンと剣を受けた例もあります。その結果、祭司ら85人が、殺されてしまいます(サムエル上21,22章)。一つの嘘が、取り返しのつかない悲劇を引き起こした例です。すべて自分の身を護るための嘘です。

うそがいけないことは、誰もが知っています。知っているのに、私たちはうそをついてしまいます。そして、内心ひやひやしながらも澄ましていたりします。それは大人だけではありません。子どもは4歳ぐらいから、うそをつくそうです。すぐ見破られるうそをつきます。早くおやつを食べたくて、手を洗わないのに、「洗った」と、うそをつきます。私もそんなうそを何回も言いました。他愛(たわい)ないうそですね。

それに対して、一国の政治家が口にする嘘ほど、大きな影響を及ぼすものはありません。国会で淡々とうそをつく政治家と、それに忖度(そんたく)する官僚たちを見て来ました。本当のことを正直に言ってほしいと願いました。三週間前、ロシア軍がウクライナに侵攻したのですが、それを正当化するための嘘が発信されています。私たち人間は何と罪深いことでしょう。真実をご存知の神よ、公正で公平な裁きを速やかに行ってください、と切に祈る者です。自分もその一人であることを覚えつつ。(2022年3月19日)

嘘に色は付いてないのですが、い嘘、真っ赤な嘘と言います。独裁者のつく嘘が、戦争によって多くの真っ赤な血を流させるからかも知れません。