すると主は、「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分発揮されるのだ」と言われました。だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。(2コリント12章9節)
自分の弱さとは、弱点や欠点のことです。そうした弱さは、出来れば取り去ってほしい。しかし、願ったようにはなりません。冒頭の聖句は、パウロが自分の肉体にある棘(とげ)のような弱さ・病気を取り去ってください、と3度も祈ったときのことです。祈りは聴かれませんでした。そして、その弱さの中に恵みがある、と言われたのです。
最近、HSP(繊細さん)と呼ばれる人が増えているとのことです。対人関係や物事の、ちょっとしたことにも敏感に反応してしまう人、周囲の空気を読み過ぎて疲れてしまう人のことです。しかし、病気ではなく、あくまでも性格・気質の問題です。その特徴は、①自分に対する肯定感が低く、いつも自分を責めてしまう。②小さな音が気になって集中できない。③自分に自信がないため、物事をなかなか決められない。④頼まれると嫌だなと思っても断れない。⑤急に何かが起きると、パニックになる。⑥些細なことでも気にし過ぎる、等など。私は自分にぴったり当てはまる、と思いました。
中学生や高校生に「あなたは自分のことが好きですか」と尋ねると、大多数の生徒は「いいえ」と言います。自分の性格が嫌いだから、できれば変えたいようです。実際、自分の性格を変えたいので教会に通っている、と言った女生徒がいました。でも、変わったとは聞いていません。
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)というと病名のようですが、あくまでも性格特性(気質)なのです。それを別の何かに変えるのではなく、そのありのままを肯定し、受けとめるべきものなのです。そして、冒頭の聖句のように、イエス・キリストの霊が、生きる力や愛となって自分の中に入り、宿ってくれることです。このことが私を支えてくれているのです。弱さや欠点を「誇る」まではいきませんが、親しみを込めて「繊細さん」と呼びかけたいものです。(2021年3月24日)、