喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。(ローマ12章15節)
もう何年も前に、発達障害とかアスペルガー症候群が話題になりました。私の身近にもそうした障害で悩んでいる方がいました。そこで、それに関する本を読んだり、極端に病的な人の映画を観たりしました。発達障害の特徴は、相手の気持ちを考えずに、正直に思ったことを言ってしまったり、その場の空気が読めないのでKYと呼ばれるなど、人とのコミュニケーションがうまく取れなくて、人間関係が円滑に保てないことです。そのため、職場や教会での人間関係が重荷になったり、煩わしくなって移り変わったりします。
そうなる原因は、相手の立場や気持ちを思い遣れないで、冒頭の聖句のようではないからです。相手に共感し、寄り添うことがどうしてもできないし、出来にくいのです。そんな障害で悩む人が増えている、と言われます・・・と、他人事のように、つい最近までは受け取っていました。自分はそうした障害者ではない、と思っていたのです。ところが最近、自分もそうした発達障害と無関係ではない、と思うようになったのです。その特徴が自分に当てはまるからです。こうなると、全く別の様相になります。
どうして人と良い関係が保てないのか、人とのコミュニケーション不足から来る行き違いなどが思い出されて来ました。後になって、何であのような言葉やメールを出してしまったのか、と悔やむことが極めて多い現実。あぁ、私も同じだった、と納得した次第です。
しかし、気づけば必ず解決があります。もし間違ったと気づいたら、すぐに謝ろう。決して言い訳や責任転嫁はしまい。とはいえ、完全な人は一人も居ないから、ユーモアを持って受け止め、決して相手や自分自身を裁くまい。自分の立場を離れて、相手の立場に立ってみる。人間=人の間と書きます。人との関係を煩わしいと思っても、どれだけ多くの人の世話と、助けを受けていることでしょう。「神さま、人の喜びを自分のこととして喜べますように、また、人の悲しみを自分のこととされたイエス様の心と一つにしてください。」 (2020年6月11日)