神はお造りになったすべてのものを御覧になった。 見よ、それは極めて良かった。夕べがあり、朝があっ
た。第六の日である。 (創世記1章31節)
この世界は神によって無から創造されました。その造られたさまが聖書の初めに書かれています。創世記1章が、それです。その最後が冒頭の聖句です。神が全能の力を用いて創造された最初の世界は、極めて良いものでした。すべてが調和し、美しさに満ちていました。宇宙から見た地球は青く美しく、無数の生命が躍動する豊かな世界でした。地球と惑星には定まった周期があり、四季の移り変わりの喜びがありました。
そうした自然の中に神秘があり、見えない神の御手が働いています。私たち人間の体にも、それが見られます。ある時、指を傷つけてしまいました。数日後、傷口につけたガーゼを取り外しました。当然のように傷口は修復されつつありました。私の体の中で働く、癒しの力の結果です。そんなことは当たり前と思っていましたが、人間の体には癒し、修復する働きのあることに気づき感動を覚えました。そのように神の創造されたものはすべて、精巧で緻密に造られています。それを実証するのが科学ですが、驚くばかりです。自然とは自(おの)ずからなったもので、人がどんなに知恵を尽くしても、到底及ばないものです。
「美しき天然」 作詞・武島羽衣、作曲・田中穂積
1.空にさえずる鳥の声 峯より落つる 滝の音
大波小波とうとうと 響き絶やせぬ 海の音
聞けや人々面白き この天然の音楽を
調べ自在に弾きたもう 神の御手の尊しや
この歌は唱歌にもなっていますが、4番までの歌詞の最後は、神の御手の尊しや、神のたくみの尊しや、神の力の尊しや、神の御業の尊しや、とあり、作者は自然の中に神の働きを見ています。創造の頂点として人間は神の像を持つよう、神にかたどって創造されたのです。神の喜びは、人間の創造にこそありました。素晴らしき世界は楽園と呼ばれています。しかし今は失われてしまった最初の世界が、それでした。神は今や、悲惨な状態に変わり果てた地球環境と、数えきれない病や差別という不幸に苦しむ世界を御覧になり、救いを与えるために独り子イエス・キリストを人として、お遣わしになりました。それがクリスマスです。