6、私は天地の造り主、全能の父である神を信じます。(使徒信条)
この世には悪が存在します。神が全能なら、どうして悪があるのか。この世に神がいるのなら、そもそも悪は存在しないはず、と言う人がいます。ところが、この世は悪だらけ。神は悪と、悪魔を造られたのか?
最初の人間アダムとエバが悪魔の化身である蛇に誘惑され、神の禁止を破った結果、罪と死が2人から生まれる全ての人を支配するようになったのです。どうして悪へと誘惑する蛇がいるのか、どこから来たのかは何も記されていません。
旧約聖書には「悪魔」という言葉は一度も出て来ませんが、サタン(敵対者)がヨブ記他に19回、出て来ます。それに対して、新約聖書には「悪魔」が「サタン」と共に出て来ます。そこからも、悪魔は初めから悪魔として、神が造られたのでないと言えます。人間を助ける天使として、神に造られたのに、高慢さから神に敵対する悪魔サタンへと変わって行ったのです。そのことはイザヤ14章12~21節やエゼキエル28章11~19節から推測されます。アダムとエバがエデンの園に置かれた時すでに、サタン(敵対者)として存在していたのです。その時から、大変長い時間が経過していますが、悪と悪魔は存在し続けています。神がそれを許しておられるからですが、大変難しい問題です。
最初の問いに戻りますが、昔も今も悪は存在しています。それは今や、どうしようもないほどです。独裁者の悪が糺されないままです。戦争で生じる悲惨さは罪以外の何物でもありません。だから、神など存在しないとすれば、そこには救いはありません。ヨハネは「悪魔の働きを滅ぼすためにこそ、神の子が現れたのです」と告げています(Ⅰヨハネ3章8節)。自然を破壊し、動物たちを死滅させている最も凶悪な生き物は、私たち人間です。悪魔の手先になっているのも人間です。イエス・キリストが人として遣わされたのは、悪魔の働きを滅ぼすためです。すべての生きとし生けるものを苦しめ、死に至らせている悪魔を、神は制御できないのではありません。悪を放置されているのでもありません。その最終的な解決を記しているのが、聖書最後のヨハネ黙示録です。そこに至るまでの壮大な展開を記しているのが聖書です。悪の問題は神が秘めておられるのですが、解決はイエス・キリストにあります。