あなたがたは、自分が神の神殿であり、神の霊が自分たち の内に住んでいることを知らないのですか。(3章16節)

主イエスは、壮麗な神殿をご自分の体に置き換えました。神殿の境内で物を売る人々を追い出された時、「この神殿を壊してみよ。三日で建て直してみせる」と話されました。ヨハネは、「イエスの言われる神殿とは、ご自分の体のことだったのである」(3章21節)と説明し、三日目の復活に言及しています。人間の体が神の神殿になる、それがキリスト者に実現します。イエスがキリスト(救い主)であると信じる人に実現します。旧約時代には建物としての神殿だけでした。しかし、イエスの十字架と復活による新約時代には、内なる神殿にまで及んでいます。神の霊である聖霊が魂の内に住んでいる(聖霊の内住)のは確かなこと。この重大な事実を、あなたがたは知らないのですか、と問いかけているのです。それはそのまま、私たちへの問いかけになっています。

旧約聖書は、罪の奴隷状態を表徴するエジプトからモーセによって救われたイスラエルが、約束の地を目指して進む荒野の旅=私たちの人生に於いて、神は幕屋として共に歩まれたことを示しています。最初は移動式の幕屋でしたが、ソロモンの時代に恒常的な神殿として建築されます。聖所と至聖所の2つから成り、至聖所に神が臨在されました。それから数百年を経てバビロン軍に滅ぼされ、神殿も破壊されました。辛い捕囚を経験しますが、キュロス王によって祖国への帰還が許されるや、第2神殿と呼ばれる神殿を再建します。しかし、それはソロモン神殿の壮麗さには遠く及びませんでした。そこで、ヘロデ王は46年もかけて神殿を再建をしました。それを見たイエスが、ご自分の体を神殿に置き換えたことは、前述した通りです。それ以後、イエスを信じて一体とされたキリスト者は神の霊が宿る神殿とされたのです。肉的なキリスト者が多かったコリント教会に於いても、それは変わりません。何と幸いなことでしょう。コリント6章19節でも、「知らないのですか。あなたがたの体は、神からいただいた聖霊が宿ってくださる神殿であり…」と、繰り返されています。沢山の知識は無くても、この事を知っていることこそ重要なのです。♪この世の勤め いと忙しく 人の声のみ繁き時に 内なる宮(神殿)に逃れ行きて 我は聴くなり主の御声を。♬ (讃美歌313番)