主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。 彼らは剣を打ち直して鋤とし 槍を打ち直して鎌とする。
国は国に向かって剣を上げず もはや戦うことを学ばない。 (イザヤ2章4節)
人を殺傷する剣や槍が、農機具の鋤(すき)や鎌に打直され、戦争と争いのない平和な世界が実現するとイザヤは預言しました。上記の聖句がそれです。国連広場の壁に刻まれています。誰もが、そんな平和な世界を待望しています。しかし、人類の歴史は戦争と争いの繰り返しでした。そして今や、戦争で核爆弾が使われるかもしれない最悪の状態です。主よ、あなたが介入して悪を裁き、平和な御国を一日も早く実現してください、と祈らずにはいられません。でも、人はなぜ戦争を止めないのでしょうか。そのテーマをNHKテレビが取り上げ、オキシトシンというホルモンが関係していると言っていました。オキシトシンは人を協力的にするだけでなく、反対に攻撃もさせます。その攻撃性が戦争や争いを引き起こしてきた、との結論です。では、聖書は何と言っているのでしょうか。
何が原因で、あなたがたの間に戦いや争いがおこるのですか。あなたがた自身の内部で争い合う欲望が、その原因ではありませんか(ヤコブ4章1節)。
わたしは自分の望む善は行わず、望まない悪を行っている。それをしているのは、わたしの中に住んでいる罪なのです(ローマ7章19,20節)。
ひとり一人の内部で争い合う欲望が原因です。それが拡大されたのが戦争です。それを止めることができないのは、人の中に罪が住んでいるからです。自分が望む善=平和ではなく、望まない悪=戦争を行っているのです。罪がすべての原因です。そして、罪は人間の力では解決できません。預言者イザヤは冒頭の聖句に続けて「ヤコブの家よ、主の光の中を歩もう」(5節)と語ります。終りの日に実現する真の平和は、主の光であるイエス・キリストと共に来るからです。だから光の中を歩むとは、キリストと共に生きることです。それをイザヤは53章で十字架のキリストを示し、最終的な65章で新天新地の預言をしています。真の平和は、戦争の真の原因である罪を取り除く血による贖いによって実現します。その前味として、私たちキリスト者には罪の赦しと、聖霊の内住が与えられているのです。感謝します。