預言者ハガイとイドの子ゼカリヤが、ユダとエルサレムにいるユダの人々に向かって預言したので、神殿建築を再開した。 (エズラ5章1,2節)
教会堂と神殿は同じではありませんが、その再建に関しては似ています。教会堂建築も神殿再建も信仰の業です。時満ちてバビロン捕囚からユダの地に帰還した人々が真っ先にしたのが神殿再建でした。主を礼拝することを何よりも求めました。信仰に燃えて建築を始めますが、基礎工事を終えた頃、周囲からの激しい反対に遭います。工事は中断させられ、何と16年間も放置されたままになったのです。そこで神は、神殿再建のために2人の預言者ハガイとゼカリヤを遣わされます。ハガイは年老いており、ゼカリヤは若かったようです。ハガイは再建に向けて、現実的な預言をしていますが、ゼカリヤはもっと大きなヴィジョン・幻を預言しています。対照的な2人を神は用いました。
ハガイ1章を開きます。神殿再建の呼びかけを始めたのが6月1日。人々は「まだ、主の神殿を再建する時は来ていない」と言っていました。そこでハガイは「わたしの神殿が廃墟のままであるのに、お前たちはそれぞれ自分の家のために走り回っている」と万軍の主は言われると告げます。それと共に、「わたしはあなたたちと共にいる」との主の言葉を語ります。神が共にいてくださるから、再建を始めようと語ったのです。ハガイの預言によって霊を奮い立たせられた人々は出て行って、主の神殿を建てる作業に取りかかりました。それは6月24日のことでした。続く2章では「主が共におられるから勇気を出し、働け。この神殿を栄光で満たす、銀はわたしのもの、金もわたしのもの、その栄光は昔の神殿にまさる、と万軍の主は言われる」とハガイは預言します。それから3か月経った9月24日には、「この日以後、よく心に留めよ。…今日この日から、わたしは祝福を与える」との主の言葉を語ります。ハガイの預言はそこまでですが、その4年後に神殿は完成したことが、エズラ6章に明記されています。ハガイは死ぬ前に第2神殿を見て、主を讃美したことでしょう。一方ゼカリヤはハガイが預言した年の8月から預言を始め、幻を幾つも記します。神殿が指し示すイエス・キリストを預言しています。ゼカリヤ書は難解ですが、彼の掲げたビジョン・幻に、民は信仰を奮い立たされたに違いありません。