1初めに、神は天地を創造された。(創世記1章1節)
2わたしはまた、新しい天と新しい地を見た。最初の天と最初の地は去って行き…(ヨハネ黙示録21章1節)
聖書66巻は、最初は別々に記されたものでした。それらを収集し選択して、まず旧約聖書が成立しました。更に時間を経て、新約聖書としての収集と選択が行われて新約聖書が成立しました。
イザヤ書やエレミヤ書のように大きな巻物は、簡単には持ち運べない程の巻物でした。それが、中世のグーテンベルグによる活版印刷によって変化します。最初の聖書は1455年に印刷出版されました。2巻本で、60フローリン(当時の公務員の給料で6年分)。それでも写本を買うよりは安価でした。
さて、私たちの聖書は1冊の本になっています。その最初と最後が、冒頭の聖句です。別々に書かれたのに、ピッタリと1つになっています。そこに啓示と霊感があります。
1,は聖書最初の書の創世記冒頭、2は聖書最後の書の黙示録の結尾部。人間の罪によって汚染・破壊された天と地の回復で閉じられています。きちんとした対比がなされています。ハーレー著から引用します。
水の集まった所を海と呼ばれた。(創世記1章10節)
→もはや海もなくなった。(黙示録21章1節)
光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた。(創世記1章5節)
→もはや夜はなく…… (黙示録22章5節)
善悪の知識の木からは決して食べてはならない。食べると必ず死ぬ。(創世記2章17節)
→もはや死はなく、もはや悲しみも嘆きも…ない。(黙示録21章4節)
お前のゆえに、土は呪われるものとなった。(創3章17節)
→もはや呪われるものは何1つない。(黙22章3節)
彼らは命の木から追放される。(創世記3章23,24節)
→命の木が再現する。(黙示録22章2節)
2人は神の御顔の前から隠れる。(創世記3章10節)
→神の僕たちは神を礼拝し、御顔を仰ぎ見る。(黙示録22章3,4節)
人類の初めの故郷は川の傍らの園にあった。(創世記2章10~14節)
→贖われた人類の永遠の故郷は、神の御座より流れ出る川の傍らにある。(黙示録22章1,2節)
太字にした文字が対になっています。失われたものが、回復する希望で聖書は閉じられているのです。