イエスは言われた。「わたしについてモーセの律法と預言者の書と詩編に書いてある事柄は、必ずすべて実現する」(ルカ24章44節)
ヘブライ語聖書(旧約聖書)の配列順序は、上記の聖句にある「律法と預言者の書と詩編(諸文書)」の順です。主イエスが読んでおられた聖書は、私たちが読んでいる旧約聖書と内容は同じでも、配列順序が大きく違っています。それは次のような配列です。
1、律法(創世記~申命記のモーセ五書)。
2、預言者の書。前後2つに分けられています。
前の預言者:ヨシュア記、士師記、サムエル記(上下)、列王記(上下)の4書
後の預言者:イザヤ書、エレミヤ書、エゼキエル書
12小預言書(ホセア書~マラキ書まで)の4書。
3、諸文書(11書)
詩編、ヨブ記、箴言、ルツ記*、雅歌*、コヘレト*、哀歌*、エステル記*、ダニエル書、エズラ記・ネヘミヤ記、歴代誌(上下) *5巻の書と呼ばれる。
全部で24の書で、順序は上記の通りです。主イエスが「わたしについて1,モーセの律法と2,預言者の書と3,詩編に書いてある事柄」と言われたのは、それが配列順序だったからです。このことを初めて読んだ時、知る喜びを覚えました。それまで歴史書だと思っていたヨシュア記~列王記が、前の預言者と呼ばれているのは、神の言葉を預かった人々の書だからです。
イエス様が読んでおられた聖書(旧約)は、創世記~歴代誌までの24の書でした。ルカ11章51節に「アベルの血から、祭壇と聖所の間で殺されたゼカルヤの血にまで及ぶ」とイエスは言われました。これは、創世記と歴代誌下に記された殺害を指しています。歴代誌が旧約聖書最後の書だから、聖書全体を指す言葉です。主が言われた意味は、ヘブライ語聖書の配列順を知って、初めて分かりました。
さて、エマオ村へ向かう道々、2人の弟子は、「モーセとすべての預言者から始めて、聖書全体にわたり、御自分について書かれていることを説明された(24章27節)」主イエスの話を聞いた。後で、道で話しておられるとき、また聖書を説明してくださったとき、わたしたちの心は燃えていたではないか(32節)、と語り合いました。聖書の説き明かしを聞きながら、心が燃える経験を、幾度も味わいたいものです。