主は、疫病をあなたにまといつかせ、あなたが得ようと入って行く土地であなたを絶やされる。(申命記28章21節)

近所の掲示板に、「闇の勢力がばら撒いたコロナウイルスの伝染で、世の人たちに恐怖心を惹起させています。…」と、書かれていました。闇の勢力=悪魔サタンが人類を滅ぼす目的でそうしたのでしょうか。それに対して、冒頭の聖句が伝えているのは、悪魔ではなく主なる神が疫病を用いていること。たとえ、悪魔がコロナをばら撒いたのだとしても、神の許可なく勝手には出来ません。ヨブが災いと病気に襲われたのはサタンの提案を、神が許可したから出来たのです。だから、すべては神から出ています。では神は、どういう目的で疫病のコロナを送り込まれたのでしょうか。

旧約聖書で最初に疫病が出て来るのは、出エジプト9章です。イスラエルの民をエジプトから解放させるため、神は十の災いをエジプトに下します。その1つが疫病です。イスラエル側には全く疫病の被害がなく、すべてエジプト側の被害です。明確な区別がなされています。疫病の目的は、エジプトの神々ではなく主こそが真の神であることを示すためでした。続いて出て来る疫病の箇所が冒頭の聖句です。神の民であっても、律法の言葉を守らなければ、呪いとして疫病を、神がまといつかせると警告しています。ご自分の民であっても、罪を犯せば厳格に対処されます。驚くべき公平さです。目的は、悔い改めさせるためです。

コロナは人を選びません。善人も悪人も差別せず、キリスト者だから罹らない訳でもありません。牧師や神父も感染しています。そうした現実から詩91編10節が示す疫病からの守りは、前述した旧約的な区別から出た言葉であることを理解しておく必要があります。それに対して新約的な言葉として、ルカ13章1~5節に記された主イエスの言葉、「災いに遭った人は罪深いからそうなったのではない、決してそうではない」が挙げられます。コロナに感染した人に対して、そのような目で見る人が今もいます。風評被害が後を絶たないのは悲しい現実です。だから主イエスは、「言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる」(3節5節)と、戒められたのです。まず私たちから悔い改めが必要なのではないでしょうか。