それはあなたたちが主に対して罪を犯し、その声に聞き従わなかったからである。だから、このことがあなたたちに起こったのだ。(エレミヤ40章3節)

もし、あの時こうしておけば・・・との悔いは、誰にでもあるものです。あの時、忠告してくれた人の言葉に聞き従っていたら、こんなことにはならなかったのに、とです。

冒頭の聖句は、神に聞き従わなかったユダの人々への言葉です。神は預言者エレミヤを通して、何度も~しなさいと語ってきたのに、人々はその声に聞き従いませんでした。その結果、バビロンという強国に侵略され、都エルサレムは徹底的に破壊されてしまいました。そうしたことは遠い昔の、どこかの国のお話ではありません。今の私たちにも言えることです。

人が、あなたに「こうしたら良いと思う」と忠告してくれたとします。その時、自分の考えとは違っていても、耳を傾けられますか?違う意見に対して、自分の考えや意見を一時保留にして、耳を傾けるかどうかです。頭ごなしに、「それは違う!」と言わず、「そうだね・・・」と素直けるかどか。そして、自分はそう思わなくても、その意見に聞き従えるかどうかの違いです。失敗を通して、そのことに気づかされました。

聖書の話に戻りますが、ユダ王国最後の王ゼデキヤは、エレミヤに神の言葉を尋ねます。「はい、ありました。バビロン軍に降伏することです」とエレミヤは答えます。敵に降伏したら、町も破壊されずに済みます、との忠告です。しかし、ゼデキヤ王はそれに聞き従いませんでした。閣僚級の部下が反対していたからです。同じ事が戦時中の日本にも当てはまります。「アメリカに降伏し、戦争を中止しなさい」と預言者エレミヤは言ったことになります。もし、早期にそうしていたら、日本の国土は徹底的に破壊されずに済みました。しかし、徹底抗戦を主張する軍部高官から強い反対が出て、非国民扱いされたでしょう。

もし~だったら、と誰もが考えます。歴史上の事件に於いても、もし~だったら、と。しかし現実には、そうならなかったのです。ですが、もし神の声に聞き従っていたら、悲惨な状態は避け得たのです。コロナ禍の今、政府が下す判断に於いても、同じことが言えます。国民の声に真摯に耳を傾ける姿勢があれば・・・。しかし、利得や利害を優先し、国民の忠告に耳を傾けないなら、政権そのものが倒れる危険性も出て来ます。あなたはどのようにお考えになりますか。(2021年1月18日)