マノアは妻に、「わたしたちは神を見てしまったから、死なねばなるまい」と言った。(旧約聖書・士師記13章22節) 

物事や出来事の受け止め方は2つあります。肯定的か否定的かの2つです。その違いには、その人の性格が関係します。冒頭の聖句は、士師サムソンの父マノアがその妻(サムソンの母)に言った言葉です。マノアは物事を悲観的、否定的に受け止める性格です。それに対して妻の方は肯定的に受け止めるタイプです。妻が夫に返した言葉が、続く23節に書かれています。夫とは正反対の受け止め方をしています。実際は、妻が言った通りになります。神はいつでも私たちに対して、前向きで肯定的です。いろいろな事を心配し、思い悩みがちな私たちに対して、「明日のことまで思い悩むな」と、主イエスは言われます。

子どもに注意をするときに、「〇〇しなさい!」「なんでできないの!」など強い禁止の言葉を使いがちですが、それでは口うるさいだけです。否定的な表現や言葉ではなく、肯定的な表現や言い方を考えましょう。部屋の中を子どもが走っていたら、「走るな!」ではなく「室内では歩こうね」。与える印象が大きく違います。もうひとつ心がけたいのは、子どもに対して共感の言葉をかけることです。遊んでいる子供に他のことをやらせたいとき、「遊びは終了!」ではなく、「楽しそうだね。盛り上がっているところだと思うけど…」など、まず子どもの気持ちを尊重します。大事な話をするときも、「今からこういう話をするけれど、その前に何か言いたいことがある?」と、子どもの思いをまずは聴き取ってあげることです。・・・(「肯定の言葉が子どもを動かす」朝日新聞からの引用です。)

言い方を変えるには、受けとめ方を変える必要があります。何事にも二面性があり、良い方にも悪い方にも受け取れます。マノアのように、死ぬのではないかと最悪の事を、つい考えてしまいがちです。そではなく、明るい方に考え、きっと良くなると信じます。マノアの奥さんのように。そして、過去をいつまでも悔やむ「後ろ向き」ではなく、前を向き「次はうまくできる」と、希望を持っていたいものです。「明日」は「明るい日」なのですから。